第14回カロム日本選手権参加レポート


2001年6月17日、彦根にて開催された、「第14回カロム日本選手権」へ2年ぶりに参加しました。
前回の成績を上回る結果を残せた今回も、満足した結果をレポートできます。

前回同様、今回も楽しい思い出になる大会でした。
私個人の結果は、ダブルス予選敗退、シングル一般3位。
シングルは予想以上の出来でした。運も見方した結果で満足です。ですが、負けた一戦は、ミスや実力で敗れた訳ではなく、私の得意とする頭脳戦・作戦力での敗戦でした。そのためフツフツと再戦意欲が湧き上がる帰路ではありました。

今回のレポートでは、大会参加レポートに加え、カロムに対する私の基本戦術を少し書いて見ます。(戦術って言っても、多分上級者は誰でも同じなんでしょうけどね。)

第11回の大会参加レポートを読みたい方(そんな人いる?)はこちらをクリック
第12回の大会参加レポートを読みたい方(今読み返しても熱の入った文章です)はこちらをクリック
カロムってどんな競技って強い興味を持つ方は、できれば第12回大会の方から読み初めていただければより判りやすいと思います。

2年前に参加して以来、カロムに触れたのはほんの数回。それも大半が娘と遊びがてらパックを弾くくらいで、真剣勝負のカロムは本当に久しぶり。気持ちいいです。
カロムはこの大会で触る以外はほとんど遊ぶ機会もなく、毎回一発勝負の参加なのですが、カロムは集中力勝負と考えているので、気さえ入れば結構いいとこまで行ける自信はあったのです。が、前回と違ってシニアの人も一般の部に統合されて一緒争うと知って、どこまでいけるかの不安はありました。何故って?カロム協会の上位者はシニアの人が多く、一般よりもシニアの方が実力が上って何度も聞かされていたからです。

大会タイトル

(大会概要)
会場風景
カロム大会は今年で14回目を迎えるという彦根の伝統行事。
キャロムと称されるゲームが世界中でいろんなバリエーションの元遊ばれていますが、日本では彦根地区を中心にこの彦根カロムが遊ばれております。
彦根カロム協会の活動により、彦根カロムがこれまで以上に幅広い地域で遊ばれているらしく、今回の大会でも福井県や大阪、京都、その他遠方の地より参加されている方が多くなってきているように思います。
これは素晴らしいことですね。

大会の方は、午前中はダブルス、午後からシングルスと2部形式で運営されました。
ダブルスのコースは、小学生、親子、一般の3コース。
シングルスは、小学生低、小学生高、一般の3コース。
小学生低学年
以前のように、小学生低学年のダブルスや、幼児のシングルスがなくなり、小さな子供が参加できる場所がなくなってきましたね。これは寂しいと感じたのですが、これまでの参加者が少なかったのでしょうか?
以前はミニカロムを使用して大会運営されていたのですが、今回はミニカロムは全く無く、普通サイズのカロムのみでした。小さな子の場合、普通サイズではパックを落としきるのが難しく、ミニカロムならうちの娘も十分に遊べるので、今後もミニカロムで大会してくださると嬉しいと感じましたね、ほんと。


(ダブルス戦)
子供たちは観戦で、友人とペアを組んでダブルスに出場しました。
2年前の大会以来ほとんどカロムに触れていないので、勘を取り戻す練習のつもりでダブルスに出場したのですが、上位3チームに食いこんで決勝トーナメントには進めるだろうと楽観視してました。これがまったくの予想違い。5チーム参加で4戦したのですが、見事4敗。全部負け。
予選のチームのレベルが高かったのか、はたまた、ダブルスとしてのチーム戦術に劣っていたのか?
恐らく両方なんでしょうが、全くいいところなく1つも勝つことができませんでした。

ダブルスの場合、「自分のエリア以内のパックを直接狙ってはいけない」と言うルールがあるため、ここにパックを集める作戦が常套手段となってます。個人戦に比べ戦術のウェートが高く、予想していたよりもみなさん上手でした。
結局、午前中まではゲームにも集中できず、シングルの練習って意味でも全く効果なし。こんなんで午後からのシングルでまともに戦えるんだろうか?かなり不安はつのってきました。

(休憩タイム)
マイストライカー工房
予選であっさり負けたため、時間に余裕ができました。娘達は、併設されているマイストライカー工房で楽しみました。何するところか? カロムのストライカーにペイントして、オリジナルのマイストライカーを作ろうって企画です。小さな子供には大人気。うちの娘もこういうの大好きです。
作ったストライカーは、ハム太郎ストライカー。

世界のカロム盤
世界のカロム
カロム博物館と称して、世界中のカロム盤が展示されてました。
彦根カロムより大きい物、小さい物。総じてポケットは彦根カロムより小さい物が多かったです。ポケットが小さいってことは、数段難しいはず。以前関西JAGAでどこぞのカロムを遊んだ事があったのですが、パックがとんでもなく良く跳ね返る。おはじきゲームという点では同じテクニック系ですが、ポケットが小さいことと、跳ね返り方が違っていることから遊び易いとは感じませんでした。誰でもが簡単に遊べるって点では彦根カロムの方が私は好きですね。

大阪闘球盤
闘球盤
関西を中心に楽しまれているらしい、“大阪闘球盤”のミニ大会が併催されてました。噂では聞いたことあるものの実物を目にするのは初めてです。
写真のように丸いボードの真中辺りにパチンコの釘みたいなものが突き刺してます。
カロムより一回り小さな手玉を弾いて、より中央に残れば得点。弾く時に必ず他人のパックに当てねばならないところがルールのポイントでしょうか?
中央にたくさんのパックが固まると得点も伸びて面白いんでしょうが、今回は初めて遊ぶ人ばかり。中央に溜まった相手パックをはじき出すことに専念するばかりで、得点エリアにパックが残らない。
こうなると手番に有利不利が如実に出てくるので、ゲーム的には面白みに欠けました。でも展開しだいではもっと面白いんでしょうね。
パックが小さく弾き易いので、小さな子供でも簡単に遊べるところは彦根カロムよりも手軽く感じましたね。

今回の収穫
カロムって真四角で、4つのコーナーどれも同じって思ってた。でも、実は、座る場所によって違うって知ってた?何が違うって?
ストライカーやパックが弾き返り易いサイドとそうでないサイドとがあるらしい。

ボードには緑の○の場所と、赤の○の場所と2通りありますよね?
赤の○のサイドの板より、緑の○のサイドの方が良く跳ね返るんですよ、実は。ボードを良く観察すると、赤のサイドの板より緑のサイドの板の方が外側で長い。だからたぶん良く跳ね返るんだろう。
シングルだと五分五分なんでしょうけど、ダブルスだと微妙なところで影響しないんでろうか?
シングルの時でも、バウンドを利用して狙う時もあるので、やっぱり正面が良く跳ね返る方がやり易いです。
丁度昼休みの時に教えてもらったんですが、それ以来、座る場所も緑側を選ぶようになりましたね。


(シングル戦)
さて、午後からのシングル戦。今年はどこまで残れるのでしょうか?
予選は6人参加の上位3名までが決勝リーグに残れます。私のグループは、かなり年配のご老人2名に、外国人、それに10代の女性、私と同年代の男性、それに私の6人。メンバー構成がバラエティに富んでます。

久しぶり真剣勝負の初戦は、外国人の方がお相手。ご挨拶させていただきましたが、名前を覚えてません、すみません。英語が苦手なので、名前以外はほとんどお話しなかったのがちょっと残念でしたが、陽気な方でした。
で、カロムの方なんですが、この方カロムの経験はそんなに無いようなのですが、パックを弾くのはかなりうまい。私の方が全然狙いが定まらず中途半端なパックさばきのため、ラスト、ジャックを落とされたら負けって局面まで追い込まれちゃいました。ここでミスしてくれたので、なんとかイージーパックを落として私の初戦は勝利で終われたのですが、この日一番悪い展開でしたね、結局。

シングル予選2
2戦目は、10代の女性。この人、初戦はきっちり勝ってきた人なので、この人に勝っていかないと決勝には残れない。最初の正念場として臨みました。気持ちが入ると集中力が増す。
そこそこ経験者らしく、序盤相手パックを中央に固めるだけで強くは弾いてこない。この手の相手には軽はずみに仕掛けると逆に不利になる。こちらもおとなしく中央に相手パックを固めて、イージーに落とせるパックだけを落としていく。序盤・中盤ほぼ互角、どちらかと言えば私が少し有利な展開だが、カロムの場合最後の1手でパック全落としで簡単に逆転できるので油断は禁物。
終盤残ったパックは右写真の状況。緑パックが私なので、私有利の状況だが、最後のパックが相手と背中合わせなので私にも決定打が打ちにくい状況。安易に狙っても相手パックが落ちるだけで私のパックは落ちない。悪くすると相手に全部パックを落とされて逆転負けとなる。
ここで私が狙ったのは、ストライカーを一度正面に当ててリバウンドで戻す方法。見事狙い通りストライカーが相手赤パックに当たって反動で私の緑パックを落とせた。これは自分でもうまくいったと思う。これで2勝。

3戦目は、90歳の女性の方。老人会の勧めで、10年ぐらい前からカロムを始めたようです。手先を使うから老化予防にいいんでしょうかね?
この方、カロムパックを弾くのに親指を使われてました。ルール的にはどの指使っても良いわけですが、ほとんどの方は人差し指か中指を使われます。狙い易いのと強く弾き易いのが理由です。
ここもうまくしのいで3勝。

シングル予選4−1シングル予選4−2
2−1
2−2

4戦目。今度の相手の方もここまで3連勝。この1戦で勝った方がたぶんトップでしょう。
ここも私有利の展開。2戦目と似たような右2−1の状況に。2戦目との違いは、双方落とせないパックがあるが、私は1個、相手は2個。私が後攻の緑パックだったので、時間切れ狙いも考えたのですが、緑のパックを穴の方に動かそうとして失敗。写真2−2になっちゃいました。ここであっさり敗退。

5戦目。これまたかなり高齢の男性。ここまでの成績の結果、私の決勝リーグ進出は決定しており、かなり余裕で対戦できました。無難にパックを落としきり、これで4勝1敗。無事2位通過です。

(大会ルールの説明)
ルール説明
さてここでちょっと息抜きに、大会用に採用されたルールを説明してみましょう。
基本的には第12回大会からルールは変わっておらず、ルール説明時にもすんなりと理解されていたようです。

1、試合時間は5分間。5分たったところから最後の人まで回してゲーム終了です。
ポイントは5分経過すると、後攻の人が手番を終えた時点でゲーム終了ってところ。上級者はイージな位置のパックなら連続していくつでも落とせるので、最後に手番が来る後攻が断然有利です。今回、先攻、後攻を私はかなり意識してました。

2、10秒ルールの採用。ゲーム終了1分前からは、必ず10秒以内に打たなくてはなりません。
これは試合時間が5分と短くなったことを補うためのルールです。このルールが無いと無意味な時間引き延ばしもありえますので、適切なルールです。でも実際、審判が側で10秒を計っているわけではないので、マナーとして引き延ばしプレーを制限する意味合いだけでした。

3、重なったパックや立ったパックもそのままの状態で倒さない。
3年前から採用されたルールですが、これまたすんなりとみんなに受け入れられてました。

4、ストライカーを手に乗せて弾くのは禁止
これはかなり以前から禁止されている技なんですが、彦根カロムでは昔から伝わる飛び技の一つです。競技として遊ぶ以上、判断を曖昧にするルールの排除は当然ですが、優れたパフォーマンス技が廃れるのは残念です。
ところが今回、ルール通りにストライカーを弾いて、かつストライカーを飛ばす技を目にしました。ポケットのところにストライカーを少しはみ出してセットし、斜め上に飛ばすように弾く技です。これはかなり難度高いですが、決まればスゴイですね。

(私の戦術基本の説明)
私はカロムがうまいか? そう、大抵の人よりはうまいでしょう。でもカロムの経験回数はそれほど多くは無いです。ベテランの人のように、きわどいところを狙って当てる技も持ち合わせてません。
それでも勝率は高いと思います。なぜなら、集中力と戦術。これには自信があります。だてにゲームで遊んでません。
集中力を紹介するわけにはいきませんが、私の戦術なら簡単に説明できます。

私の戦術、一言で言えば、「相手の不利な状況を崩さない」。この一語につきます。
どういうことなのか? 説明しましょう。

    
パック位置1 パック位置2
3−1
3−2
緑色が私です。

右3−1の写真を見てください。私が緑のパックと考えてください。
私が狙うパックはどれでしょうか?
@?、それともA?、はたまたB?
答えはAです。
@は、緑のパックは簡単に落とせるでしょう。でも、それは相手の赤パックを落としやすくするだけです。もし@の状態だけが残ってラストを迎えたとしましょう。緑の人は簡単に落とせます。ですが、赤の人はどうでしょうか?この状態で赤パックを落とすのは至難の技です。もしこの状態でラストを迎えたら、緑の勝ちです。こうした緑有利の局面をわざわざ自ら壊すことはないでしょう。
Aは、そう、緑にとって落としにくいパックです。@の逆です。将来不利になりかねない状況を先に崩すべきです。
Bは? どれを狙うか焦点が定まりませんが、あまり強くパックを弾くことはお勧めしません。なぜなら、相手側にパックが偏る原因になりますから。確実の自分のパックだけを横に弾き出せるパックを狙うでしょうね。

右3−2の写真は、私なら崩さないだろうパックの一例です。全て私が緑として見て下さい。
それぞれ少しづつ状況はことなりますが、緑パックは落とせても、赤パックを落とすのは難しいポジションばかりです。
中央下のジャックと緑パックが接している状態のものも同じです。ラストにこの状態になった場合、赤はジャックを弾いてもうまく落とせる確率は低いです。かりに負けている局面でも、こうした状態のパックが残っていれば、ラスト一手だけで形勢逆転が可能です。
右下Aのパックは緑1つだけの状態です。これも展開によっては将来 緑有利になりえるポジションです。なぜって?緑パックの横に赤パックが来たら? そんな状況を期待するのですが、積極的にそういう状況を作る事も作戦です。

上記以外にもゲーム中に考えていることはいろいろありますが、エッセンスは「相手の不利な状況を崩さない」、「自分の不利な状況を先に崩す」、「相手の不利な状況をあえて作る」。以上3点、全て同じ事の裏表。
上級者と言われる人たちはまず間違いなく上記のようなポイントを体感しているとは思うのですが、意外とゲーム中に状況判断までされていない人が多いようです。状況判断すれば勝てるって訳ではないですが、勝率は当然UPすると思います。

いよいよシングル戦決勝トーナメントです。
さあ、いよいよ決勝トーナメントです。大会運営の方も手馴れてきており、決勝トーナメントの対戦表が決勝進出者に配布されるようになってました。ところが担当者の手違いか、私はこのトーナメント表を受け渡してもらえず、どうしていいのか右往左往するしまつ。私が対戦する相手は既に席に付いているのに、私が本当にそこで対戦していいのかどうか、時間ギリギリまで明確にならない始末。予選参加時に配布されていた対戦表に、決勝トーナメント初戦の座席番号が表示されていたので、とりあえずその相手と対戦。対戦直前にトーナメント表をやっと受け取りました。

(シングル戦決勝トーナメント)

決勝に残ったものの、今年はなんとなく燃え上がるものが自分の中に感じられない。決勝に残るのは当たり前って感じで、最終目標は優勝なんでしょうが、なんかそこに気が集中してこない。大会の雰囲気を楽しんではいるが、ゲームとして熱中する自分がいない。
こんなんでさてどうなるか?

トーナメント1回戦
対戦相手と思わしき人は早くからC58番に座っている。対する私はこの場所で本当にいいのか運営スタッフに尋ねている。ばたばたした落ち着きの無いスタートでした。
初戦の相手は、たぶん中学生の男性。以前関西JAGAにもいらしたことある、闘球盤クラブの方が応援しておられ、「闘球盤クラブのホープ」っておっしゃられてた。
腕前の方もミスなくさすが。でも弾くテクニックだけではなく、ゲーム展開を操るテクニックにかけては私の方が少し上。残るパックの数は同じでも、有利なポジションに残っているのは私の方。無難に1回戦を突破させていただきました。

勝ち抜いて初めてじっくりとトーナメント表を見てびっくりした。だって、予選に参加していないシード選手がいるじゃない!それもかなりの人数が。
後から聞いた話では、カロム協会会員は実力が上なのでシードされているらしい。2年前まではそんなことなかったのでこれにはびっくり。私も2回戦を勝ち抜くとシード選手に当たる予定。さらに、3回戦を勝つと、私ですら何度も噂を聞いたシニアクラスの熟練者が相手になる組合せ。過去の優勝者に名を連ねるベテランが相手となる。これで気が引き締まった。絶対にシードの人であっても3回戦は勝ち抜いて、噂のベテランと対戦してやるぞ!気合が一気にヒートアップしてきた。

トーナメント2回戦
2回戦の相手は、中学1年生の男性。1回戦では私の後ろでゲームをしており、この様子を見ていた娘によるととんでもなく上手だとのこと。この言葉で少し恐怖した。
ここで負けたくない。初めて勝ち抜く意志が強くなり始めた。

ゲームの展開は1回戦とかなり似ていたように記憶している。双方さほどミスなく落とすが、残りパックの優勢ははっきりしてくる。私もまったくミスらしいミスなく落としきる。無事2回戦突破。
これでシード者と対戦だ!

トーナメント3回戦
ところが対戦相手は若い人だ!シードのメンバーはみんな年配の人と思い込んでいたので不思議に思って聞いてみると、シードの人を破って進出してきたらしい。
さすがにうまい。さらに困惑したのは、一手一手打つのにじっくりと考えるタイプ。これまでのように早い展開にならない。こちらのテンポが狂わないように、焦らないように気持ちを落ち着け、こちらもじっくりと弾く。私の方はミスらしいミスも無かったが、残り1分になっても半分以上のパックが残っている。ここから双方パックを落としだすが、相手が数個残して終了。私が何個か落としている最中に5分経過。
このゲーム私が後攻で、5分経過した時点で後攻の私がプレイしていたため、ルールでは私が失敗した時点でゲームが終了する。残りパックを数えると私が3個に対し相手は4個。そう、もうこの時点で私の勝ちが決定していた。
なんかパック数差での勝利とすっきりしない勝ち方だったが、ルールはルール。握手して勝ち名乗りを上げさせていただいた。

実はここまで私はほとんど後攻でした。唯一先攻だったのは、予選で負けた1戦のみだったと思う。
この辺りで実は後攻だったら勝てるジンクスを僅かだが心の中に描いていたと思う。たぶんその時点ではジンクスってほどでもなく、時間切れ後攻有利の展開をそれなりに意識はしていたのは確か。

トーナメント4回戦
さあいよいよ待望のシニアチャンピオンと対戦!待ち望んでいた対戦。
ところが現れたのはこれまた若い青年。噂に聞いていたシードの人は敗れたのか?それとも今回は参加されなかったのか?理由は判らないが、大いに残念!
気を取り直して対戦相手を見てみると、午前中のダブルス入賞者じゃあないですか。結果は知らないですが決勝戦に勝ち残っていた人。乗っている相手だけにこれは強敵です。
でも私もここまでほとんどノーミスでしのいできており、調子も悪く無いです。良い勝負になるでしょう。

私が後攻、いつものように静かに序盤は過ぎていきます。ボードの中央に双方のパックがかたまった状態。でもしっかり見ると、僅かに私のパックの方がばらけた状態で、配置は私の方が優勢。相手もそれに気付いたのかあまり無理して展開を急いではきませんでした。
それでも1個づつ落としていって終盤に。私は残り数個のパックを一気に落として残りはジャックだけ。ポケットに向けて真っ直ぐ弾くだけで勝利は私の元に来るはずだった。ところが、イージーなショットが少しずれた。ジャックがバウンドして盤上に残ったまま。
負けを覚悟していた相手は喜んだ! 私もこの局面でのミスが自分でも信じられない。
相手が残りパックを落としきれば負けなんですが、結構難しいポジションに残っている。そう、この勝負ここまで断然私の有利に進んでいたのです。相手が難しいパックを外した段階で、再度私のチャンス。先程よりは難しいポジションのジャックだったが、今度はしっかりと落として切り抜けた。
危なかった勝負でした。ここで負けてれば悔やみきれないところでした。

トーナメント5回戦
いよいよベスト8。前回はここで負けたんですよね?今回もよくここまで残ったものです。
今度の相手も二十歳前と思われる青年。

今度の相手は飛ばしてきました。序盤こそ中央に固める展開はあったものの、直ぐに積極的に落としてきました。それもかなり精度よく落としてくる。中盤にも関わらず連続4つも5つもパックを落としてくる。パックの配置展開を見て作戦を立てる余地なんか全然ない。気が付くと私のパックは7、8個残っているのに、相手のパックは2、3個しか残ってない。状況は不利。流石に少し焦りました。
それでも私の手番が回ってきた。次の手番で相手は残りパックを落としきる可能性がある。私としては落としきれないポジションにパックを配置して時間稼ぎをするか、それとも私が残りパックを落としきるか。じっくり盤上を見るとパック数は多いが、全部落とし切れるポジションにある。ここは攻めることにする。残り7、8個を落としきれれば勝ち。もしミスすれば多分私が負け。
集中しました、パックに。決して全てのパックが落とし易いところばかりにある訳ではありません。当然相手の邪魔となりそうなパックは後回しにして落としていく。1つ、2つ、3つ、4つ。1手1手に緊張と集中。緊張感がたまらなく心地よいです。気が集中するのが自分でも判ります。
5つ、6つ、7つ。そして残るはジャックだけ。これを慎重に決めました。どの対戦でもジャックを落とす瞬間は緊張&集中がピークに達します。そして落とした瞬間、安堵感がはじけます。
ここまで対戦した皆さん、有難うございました。トーナメントも後半になるにつれ、勝ち残った私に皆さんしっかりと握手してくださいました。嬉しいです。

トーナメント準決勝
最初200人近くいた人も、ここまで残ったのは僅か4人。ベスト4。
今回の大会はここまで残るとは思ってもいませんでした。かなり運にも見方されたでしょうね。

今度の相手は10台後半の男性。これまた若い青年です。
実はこの対戦を書きたくて、いや、この対戦を書き残すためにここまで書いてきたのです。
それほど面白い勝負でした。それ以上に私にとっては衝撃の勝負でした。

先攻後攻を決めるジャンケン。勝ちました、先攻です。赤いストライカーを取ります。今までほとんど緑(後攻)のストライカーだったので、赤色は私にとっては珍しい色でした。
これは少し、いや大きく勝負に影響したかもしれません。本当のところは判りませんが。

私はいつものとおり相手パックを中央に弾く。ところが相手は違った打ち方をしてきました。
ストライカーを正面に当てて、リバウンドを利用してパックに当てる。こればかりを繰り返してきました。
普通にストライカーを弾くと、当てたパックは相手側に動くのですが、弾き返して当てるので、赤緑双方のパックが自分の手元に集まるのです。パックは手元に近いほど狙い易い。そう、賢い戦法です。
実はこの戦法、私も考えた事あります。カロムの競技としての欠点は、序盤パックを弾くとパックが遠いところに動くので不利になることです。だから上級者の戦いでは、序盤中央にパックを固めるだけの地味な面白みに欠ける展開になります。
それをさらに推し進めて考えたら、弾き返してパックに当てる今回の戦法に行き着きます。でも考えただけで実際に利用しなかった理由は1つ。私が最近中古品として買ったカロム台は滑りが悪く、ストライカーが弾き返って来なかったからです。頭では考えても実際に練習する機会がゼロでした。

シングル準決勝
さて、ゲームの展開。相手は落とせるパックがあっても無視し、ひたすらパックを手前に弾き返すだけ。一方私も戦法の意味を理解し同じ手法を数回試したものの、練習不足かはたまた弾く力不足か、相手に比べてうまく弾き返せません。そこで諦めてこれまで通りの戦法で対応。私は積極的に落とすが相手はほとんどパックを落とさない展開。パックの配置とかは適当ですが、右写真のような展開となりました。
私のパックは6、7個、逆に相手はストライカーをポケットに落としたりしていたため、パックはほとんど落としてない。
でも、全体的にパックは相手側に偏っている。

さらにここで特筆すべき作戦を目にしました。相手が私の赤パックを狙って弾きました。でどうなったか?赤パックは場外に弾き飛ばされました。場外に出た赤パックはルールで中央の緑パックの上に置かれた。これにはびっくり。中央の上に置かれると言う事は、1手損して中央を崩さないと自分の赤パックを落とせない。上級者同士の対戦で、終盤1手を捨てることは致命的です。そこを狙ってやったのだとしたら、これはスゴイ戦術です。
まあ、この時はまだ中盤でしたので致命傷にはなりませんでしたが、一つの作戦として強い印象を受けました。

シングル準決勝ラスト とかなんとか言っているうちにゲームは終盤に差し掛かりました。私の方が残りパックは少ないものの、ポジションは圧倒的に不利。これまで私が戦ってきた戦法とは逆の展開です。相手は積極的に落としてくるわけではないので、不利な状態を改善することに集中しているだけ。これは作戦勝負です。
もし私が後攻だったら、時間切れも視野に入れていたかもしれません。でもこの時は先攻でした。時間切れは一切念頭に置きませんでした。テクニックで落としきりに掛かりました。そう3つか4つは連続で落としきりましたが、残る1個のポジションはかなり難度高い位置。(右写真の状態)
この1個を落とせば、まず私の決勝進出は間違いないでしょう。狙いました。赤パック左端ぎりぎりのところが唯一の狙い場所。不思議と緊張で手が震えることはありませんでした。十分に集中もできてました。それでも狙いはそれたのか、パックは外れました。
勝負はここまで、さすがに相手はイージーな残りパックを落としきりました。見事な作戦でした。これには完敗。今度は私が握手で手を差し出す番でした。

気が付くと多くのギャラリーに囲まれてました。相手の方への拍手が沸き起こりました。みんなに見られているのは判ってましたが、こんなにたくさんの人が観戦してくれてたのにはビックリ。ゲーム中はギャラリーの方は全く気になりませんでしたね。それだけ皆さん静かに観戦してくださってたんでしょうね。ありがたいです。

3位決定戦
とかなんとか余韻に浸っている間もなく、直ぐに3位決定戦に狩り出されました。今度の相手の方も20歳前後の青年。でもこの方とは一言も話し掛ける時間も無く、直ぐにゲームスタートしました。
この方とはいつものような展開で、比較的苦しむことなく勝たせていただきました。上出来の3位でした。
最後に負けて終わるより、3位とは言っても勝って終われるのはそれなりにいいもんです。

決勝戦
さて決勝戦。私が敗れた方は私の時とまったく同じ戦法。徹底的に同じことの繰り返しをやってきます。ここまで作戦を徹底するのは素晴らしいです。決勝戦は2勝するまで行うのですが、有利な展開を維持し2連勝されました。見事な優勝です。

(大会総括)
ダブルスの結果は残念でしたが、シングル3位と大満足な大会でした。
それにしても頭脳戦で敗れたシングル準決勝は私に強烈な印象を残しました。
優勝者は、テクニック的には図抜けているわけではありませんでしたが、終盤連続して5つ、6つを落としきる集中力と卓越した戦略眼は、私自身の強みでもあり、同じポイントで競い合って競り負けた一戦でした。
悔しくないと言えばウソになりますが、“見事にやられた”と気持ちよく帰路に付けました。
帰り際、体育館出口で彼と顔が合いました。「また来年も参加しますので、よろしく」と挨拶してくれました。私も「来年もよろしく」と挨拶しましたが、気持ちよく、そして来年も是非参加したいと感じさせてくれる一言でした。

ちょっと視点を変えて大会を振り返ってみたい。
私はこれまでカロムは「シニアの方々の方が断然強い」って聞かされてました。“年齢に関係なく楽しめる”。それがカロムのいいところでもあります。年配の方がしっかりと頂点をキープされている。そんな姿を連想してました。
ところが今回、ベスト4に残ったのは、私以外は20歳前後の青年ばかり。私が決勝トーナメントで闘ったのもすべて若い人ばかり。なんか想像していたのとは少し違った景色を体験しました。
前回大会もチャンピオンは10代の女性。
なぜ若い人ばかりなんでしょうか?年齢を重ねると集中力が続かないんだろうか?大会への意欲が違うんだろうか?
この疑問の答えは出てません。答えを感じている人がいらっしゃったら、聞かせて欲しいものです。

表彰者集合写真
盾
大会最後の表彰式&写真撮影まで体験することができました。良かった。
来年は、是非今年のチャンピオンとも対戦して、私がチャンピオンになりたいですね。

シングル3位の盾。丸太を輪切りにしたカロムのビッグサイズジャック。

午前中のダブルスでもらっている人たちを見て、子供たちと「あんなん貰ってもしゃあないなぁ」って話してた盾です。とりあえず記念に写真は撮ったものの、嫁さんに植木台にしようか?ってバカにされてます。(笑)


カロムについてより詳しく知りたい方は、 日本カロム協会へ
でも残念ながら最近更新されてないようで、第14回大会の結果報告も掲載されてないんですが。


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