自然が好きな人にはお勧めですが、風のがっこうの施設そのものは、冬場の宿泊を考慮した建物ではなかったです。だから部屋は少々肌寒い。寒さが苦手、雪が苦手って人は行かない方が良いかも。でも、その分スタッフの人達はとっても暖かい。普通の行楽とは一味違った体験ができると思います。
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冬の体験ツアー1泊2日 今回の参加料 | 大人13,000円 | 小学生以下12,000円 | |
1日目 | わら縄作り | かんじき手作り | 雪山散策 |
風車作り | カニスキ | 夜はイカで一杯 | |
2日目 | かまくら作り | 風車実験 | 焼き餅 |
スイス村スキー場 | |||
その他 | スノーモビル | ||
問い合わせ先 | 弥栄町役場ガンバロウ課 | 電話 0772-65-4902 | メール ganbarou@town.yasaka.kyoto.jp |
ホームページ | 風のがっこう京都 | スイス村 |
丹後半島の中央部に位置する弥栄町スイス村は、標高683メートルの太鼓山を中心とした高原リゾート。
この地に2002年6月新たなスポットとして誕生したのが、スイス村体験交流施設『風のがっこう京都』。
年間を通じてさまざまな体験メニューが用意されています。
まえがき
夏の自然体験ツアーで楽しい思いをした風のがっこうから、クリスマス頃に突然手紙がやってきた。どうやら冬の体験ツアーも企画するらしい。
これは是非とも行きたいって事で意見は直ぐに固まる。問題はいつ行くか? 子供の学校行事等も考慮すると行けるのは1月11日、12日のところだけ。ってことで早速翌日には電話。でもその時点では、雪が少なくなってきており、実施できるかどうか不安らしい。さらに、開催まで3週間も無い。最小催行人数(10名)に達するかどうか危うい。
駄目なら仕方が無いって事で申し込みだけしておいた。
その後、新年早々寒波がやってきて大量の雪が降った。丹後も雪に埋もれた。もう雪の心配は無い。でも参加者はやっぱり我が家だけ。こりゃ諦めモード。
ところが、6日頃になって、弥栄町ガンバロウ課の大江さんから電話をもらった。不破家だけでも開催してくれるらしい。
自然体験ツアーへの参加ではないが、スキー客が数組入っており、宿である風のがっこうそのものはOPENするとのことで、冬の企画スタートでもあり、タイムスケジュール他の実験テストの意味もあるんだって。
有り難い反面、一家族だけでは面白味にも欠ける。子供が他にいないんじゃやっぱりつまらん。
ここから急遽仲間家族集めようと電話メールしまくったが、さすがに数日後の話、乗ってくれる家族は見つからなかった。残念。
結局当日の朝、雨模様の天気の中、車で一路丹後を目指して出発した。さて、今回の旅は楽しめるのだろうか?
1日目
マイクロバスとスノーモービル
集合場所は、弥栄町役場11:50。集合と言っても我が家だけなのですが。
ここからは役場のバスでスイス村まで行く。雪道を走る心配が無いので、ノーマスタイヤ派としては嬉しいところ。でもこの日は雨模様で雪の心配は全く無かった。逆に、雨の中を歩くのは辛いと心配していたが、スイス村まで登ってきたらここでは雪に変った。さすがに標高が高い。
30分もするとスイス村スキー場の駐車場に付いた。
ここから上は完全に雪山とゲレンデだけ。
ここから先、風のがっこうまでは、普通の車は通れない。そこで登場したのが、キャタピラー付きの特注車。これに荷物とスキーを積んで出発、と思いきや、人間が乗るところまで無い。人は送迎用のスノーモビル2台に便乗して現地まで行くらしい。
スノーモビルで迎えに来てくれたのは、なんと女性の吉岡さん。スカート姿のままスノーモビルにまたがって、かっこいい。
2台のモビルに2人づつ別れて便乗していざ出発!
宿&研修所である風のがっこうまでは、スキーの林間コースをたどって距離にして2キロはあるよね。かなり長い距離をずんずんと進んで行く。スキーコースなので、モビルの横をスキーヤーが滑っていく。爽快!
かんじき作り
昼食後、2日間のオリエンテーションの後、早速1日目のメインイベント、“かんじき作り”。
作ったかんじき履いて、実際に雪の野山を散策するのでしっかりと丈夫なものを作りたいところ。
地元年配のインストラクターに手ほどきを受け、まずは“わら縄”を作ることから始める。
わらを6本ほど束ねて、3本づつ分けて、それぞれを別々にひねりながら、お互いをさらに捻じり上げる。そうすると見事にわら縄が出来上がっていく。
こんなの文章で書いても判らんですよね?
インストラクターの人がやると手でひねると綺麗に縄になっていくのですが、私達がやると全くできない。何度も繰り返して教えてもらう。理屈は判るが実際にその通りにはできないもの。
我が家の中では、美典だけは直ぐに上手にできるようになって誉めてもらって有頂天。でも他メンバーはあんまり上手じゃない。要は器用かどうかの差がここに出てくる。
でも最後にはなんとか不細工だけど縄を編めた、ような気がする。
続いて、本命のかんじき作り。
冬の雪山を歩くかんじき。万が一山の中で壊れたりすると命取りになる道具。使用する樹は、“かや”の木。
熱を加えて丸く曲げたかやの木を2つ重ねて、わら縄で形にしていく。自分で編んだわらを使うのが本当なんだが、使えるようなわら縄は編めてないので、予め用意されたわら縄を使う。もっと時間があればわらから全部自分で作りたいものだ。
家族1人1つづつかんじきを作り上げた。良く考えると、足は2本あるのだから、かんじきは1人2つづつ必要。ということで、4人で2足分作ったことになる。
出来上がったかんじきは、なんか左右不揃いなところもあるが、そこそこ立派。自己満足!
さあ、今度は実際にかんじき履いて雪山に出ていく。
2足分しかないので子供たちがこれを履いて、親達はアメリカ製の市販のかんじきみたいなものを履く。こちらはかなり重い。
ちなみに、風のがっこうの方で長靴を用意してくれていたので、長靴を履いてこれにかんじきを付ける。
かんじきって、大きな物が足に付くので歩き難いと思っていたのだが、これは大間違い。
雪の少ない普通の路面は、普通に歩ける。そら少しは邪魔ですが。
で、雪深いところを歩く時こそ本領発揮。長靴だけでは足が潜り込んでしまうようなところでも、それなりに進んで行ける。やっぱり先人の知恵なんだ。
子供たちはワザワザ雪の吹きだまりを選んで歩いて行く。誰も歩いていない雪上に足跡を付ける楽しみ、それは大人になっても良く判る。
雪山を歩くこと30分程度。本当はもっと遠くまで歩く予定だったそうだが、時間短縮して近場だけを散策しただけ。ちょこっと残念。
雪山散策中に1度だけリスの足跡らしきものを見つけた。ほんとはもっとたくさん見つかるそうだが、それでも1つ見つけて良かった。
帰り道、私もかんじきを履かせてもらったが、本当に歩き易い。和製のかんじきの方が断然優れている。これも伝統の技か!
このかんじき、材料も簡単に手に入らないそうなので、お土産に1セットだけいただいた。家に持って帰って今は物置にスキーと一緒に並んでいる。
スノーモービル再び
かんじき散策の帰り道、子供たちは途中からスノーモービルに乗っけてもらって帰って行った。
と思ったのは間違いで、スノーモービルに乗せてもらって、雪山をあちこちすっ飛ばしてドライブしていたらしい。少し離れた風車のところにも行ったらしい。羨ましい。
私もスノーモービルに乗りたかったなぁ。自分で運転できたらとっても楽しいだろうに。
子供達が宿に戻ってくるまで30分以上あったんじゃないかな?その間私はかんじき履いて一人で雪だるま作っていた。
カニスキ
夕食はカニスキ。子供達はカニが大好きで、大盛りのカニを期待していた。肝心のカニは4匹たっぷりとある。
鍋物だとつい野菜などもをカニと一緒に入れてしまうが、カニを美味しく食べるには、まずカニだけ先に味わうのがいいんだって。そしてカニは直ぐに煮えるので、新鮮なカニは煮過ぎないこと。鍋の表面に浮き上がってきたらもう煮えている、そうだ。
煮かげんが丁度だとカニ身が柔らかく、そしてカニ身が甘い。確かにこちらの方が断然美味しい。
自然体験ツアーへの参加者が私達だけだったので、夕食はスタッフの面々とも同じテーブルでご一緒しました。
スタッフメンバーの中には、スイス村の村長さんも同席。村長さんからはカニの食べ方いろいろお聞きし、さらに美味しいカニ雑炊の作り方を実地指導までいただき、お腹いっぱいになるまでいただきました。
風車作り
夕食後は、風車作りの研修。風のがっこう設立趣旨は、環境教育の研修を実施すること。この風車作りも環境教育の一環で、単に作って遊ぶだけでは無く、何故風車を活用するのか?という環境学習も同時に行いました。果たして安加里がどこまで理解しているか判りませんが、ある意味遊びの中に学びがあるということは良いことだと思います。
さて肝心の風車、木製のおもちゃ的なものをイメージしていた私としては、大きさはミニでも本格的な風車を作ると知って驚きました。
写真のように金属製でがっしりとした作り。微力ですがしっかりと発電できます。
実はここからもう一組の家族がツアーに参加され、風車作りは2家族共同作業で組み立てました。
風車の羽根をボルトとネジで組み立てていく。これは大人が手を貸さないとなかなか難しい。ちょっと小さな子供には無理があるかな?スパナでナットを締めるところだけ私が手を貸しましたが、他は子供達でやりました。
もう一家族の方では、モーターと本体側の組み立て。こちらは子供さんが小さいので、お父さんが中心で作業。
最後に2つを合せて完成。
教育研修+組み立てを合せても僅か1時間。案外直ぐに終わっちゃいました。
イカを肴に地酒でおしゃべり
夜、子供達を寝かしつけてから地酒で一杯。というプログラムでしたが、我が家の娘達は9時過ぎではまだ寝ない。娘も一緒にジュースを飲みに参加してきました。なお、地酒とジュースは有料ですが、これは是非とも参加せねばもったいない。
出て来たのは、大きな一夜干しのイカ。イカの身はかなり分厚いです。これを焼いて食べる。
するめとは違って、身も柔らかくほんとに美味しい。酒の肴として格別ですが、ジュース飲んでる娘達もこれは美味しいと食べてました。でもそこそこ食べたら先に部屋に寝に行きました。後は大人達だけ。
この時もスタッフである大江さんや風車インストラクターの方と同席で、地域のことや環境のことなどいろんな話をお聞きしました。おしゃべり好き&環境教育を受けている家内は大喜びで話をさせていただきました。
1時間ほどおしゃべりして、たっぷりとイカをいただいて部屋に戻ったのは11時過ぎ。そろそろ寝ましょう!
2日目
2日目。朝食は7:30から。夏は朝食前にラジオ体操があったけど、今回は何も無かったのでゆっくり寝られて助かった。
かまくら作り
2日目は朝からかまくら作り。かまくらはスキー場とかで何度も目にしているが、実際に自分で作るのは私も初めて。私自身が一番やりたかったイベントがかまくら作り。
作り方はいたって簡単。大きな雪の山を造り、それから横に穴を掘っていくだけ。
風のがっこうの方でスコップや雪かき器などの数種の用具が準備されており、長靴を借りて2家族全員で造りました。
スタッフも含めると大人は6人、これに子供が4人。中学生の美典は大人と同じ働きなので、実質大人7人かな?
大人達は雪を集めて山にする。子供達もスコップで雪を集めるがそれよりも雪山の上を歩きまわって雪を固める方で役に立つ。そのうちの山も高くなり、子供達はよじ登って遊んでいる。
どのくらい時間かかったんだろう?十分な大きさになるまでかなりしんどかった。
山が出来上がると今度は横から穴を掘り進む。
かまくらの中を大きく取るために、下の方に掘り進む。
あまり入口を大きくすると崩れやすいので、入口は人が通れる程度。だからスペースが小さくて、体が邪魔してうまく掘れない。
ここで子供たちが活躍した。美典が入口から真っ直ぐ中に向かってどんどん掘り進む。小さな子供たちも雪を外にかき出すのを手伝い、子供たちだけでかまくらの入口の形が出来上がった。
ある程度奥まで進むと、今度は左右に広げていく。崩れない程度に内部を大きく取る。
内部で堀り進んでいる間も、外側ではどんどん雪を盛っていって、山をさらに大きくしている。
そしてついにかまくら完成!
次にチャレンジするのは、昨日作った風車を立てて、発電実験。
かまくらの横に風車を立て、コードをつないで、バッテリー経由で発光ダイオード100個ほどに電気を供給する。風車だけでは電力不足するかもしれないので、小型のソーラーバッテリーも補助につないで、かまくらの中にダイオードをセットする。
すると見事ダイオードは点灯した。
発光ダイオードは消費電力が少なく、風車の電力でも十分に光を供給できるようだ。私たちは昼間に実験しているので明るさがよく判らないが、電球1個程度の明るさらしい。これなら夜でも十分に明かりが取れる。
さあ、いよいよ、電気付きのかまくら完成。
みんなで中に入って座ってくつろいだ。中の広さは十分。2家族とスタッフ2名全員しめて10名が、ちょっと窮屈だが中に入って座れる見事なかまくらができた。
写真では小さく見えるが、雪面を下に掘り進んでいるので、かまくらの中はかなり広いんですよ。
焼き餅を食べる
七輪をかまくらに持ち込んで、これでお持ちを焼いて食べる。
宿の方であらかじめ炭をおこしておいてくれたので、餅は直ぐに焼ける。こういう場で食べるお餅ってほんと美味しいよね。普通に食べる餅なんだが、やっぱり雰囲気ってのがあるのか、何個でも食べられる。私は3個食べたかな?子供たちも喜んで食べていた。
七輪に炭、餅に海苔、砂糖や醤油などあれこれ全部。こうしたものを準備するって結構大変だと思う。電気は風車とソーラーバッテリー、火の方は炭に七輪と、とことん環境にこだわり自然と遊ぶ。今回の企画の集大成がここにあるんだと思った。
スキー
お餅でそこそこお腹に入っていたが、予約していた野間ソバを昼食に食べて、その後はスキー。
本来ツアーのスケジュールはお昼までで、午後には送迎バスで役場に送ってもらう手はずなのだが、送迎が必要な参加者が我が家一家族だけなので、送迎時間もお好みしだいとアリガタイ待遇。
ツアー代金にはスイス村リフト一日券代も含まれており、スイス村スキー場で2時間ほど滑ることもできました。ここのリフトは3機。斜度はそれほどきついところも無かったので、娘達もほとんど問題なく楽しく滑りました。
そして宿を出発したのは、4時前。
帰りも吉岡さんのスノーモービルに2人が乗せてもらい、私と美典はキャタピラー車の荷台に荷物と一緒に乗せられた。荷台の後ろカバーを開けて車の後ろから滑ってくるスキーヤーを見ながら、娘とおしゃべりしながら下の駐車場へ。
美典から、今回のツアーについて、「最初はなんでかまくらなんか作らなあかんね?」と思っていたそうだが、「かまくら作りが思いのほか楽しかった」って話を聞いて、連れてきた親としてはこれが一番嬉しかったかな。
風のがっこうのお話
ここでツアーそのものというより、風のがっこう施設関係のお話を少々。
食事
今回のお食事、カニスキ以外の朝食、昼食は前回の方が数段ボリューム内容ともに上でした。カニスキも鍋だから手が掛かってないだけで、なんか人手が少ないって印象。
どうやら理由は、雪の影響だそうです。
説明に書いた通り、風のがっこうへ来るのに普通の車は使えません。特注のキャタピラー車かスノーモービルだけ。これでは、人が来る毎に誰かが迎えに行かねばなりません。1人迎えに行くのに、30分近く掛かるでしょう。迎えに行くってことは、最後は送っていかないといけない。これは大変です。
恐らく、コックさんを迎えに行って、給仕担当の人を迎えに行ってと。このため人手は最少人数で行う事にしているのだと感じました。
それに食材についても同じ。基本的にキャタピラー車で運び込むしか手はないですが、やはり雪の無い時のように柔軟にはできないのでしょう。要は山小屋と同じです。
どうやら冬場のみは今回のようなパターンで継続するらしいです。雪が解けると、また以前のような豪華な食事に戻るのでしょう。
と言っても、食事そのものは普通以上でしたよ。カニスキは美味しかったし。
部屋はちょっと寒いかも
風のがっこうは、冬場の利用を前提に建ててはいないそうです。ですから、宿泊部屋の暖房はエアコンのみ。
室温はそこそこ上がるものの、壁が冷えこんでおり心底温まらない。
たまたま泊まった1月11日は、今シーズン初めて宿泊客を入れた日だそうで、休館中に館内が冷え込んでいたのが原因なのでしょうが、床はかなり冷たい状態で、部屋にじっとしていると冷え込んでくる。
ちなみに、ベッドタイプの部屋は、1階部分が屋外になっているため床が冷えやすいのは事実。少し厚めの靴下を用意しておくといいでしょう。
でもベッドに入ってしまうと暖かかったです。
追伸、どうやら1階の研修室に、もっと大型のストーブも今後設置するらしいです。暖房設備が完備されてくるのを期待してます。
自然体験ツアーの詳細はこちら→冬の体験ツアー
体験ツアーの日程は、こちら→風のがっこう研修スケジュール